路線バスのサイズ

バスのサイズ

1.大型車

奈良交通(奈良県)
全長10~11.5m、車幅2.5mのバスで、路線バスの基幹車種です。現在国内では、大手3メーカー(日野・いすゞ・三菱ふそう)とトヨタが製造しています。

2.大型短尺車(大型ショート車)

奈良交通(奈良県)
全長9m、車幅2.5mのバスです。大型車の車幅と中型車の全長を組み合わせた車種で、大型9M車とも呼ばれます。特に狭隘路線や、カーブの多い路線で、操作性と輸送力を両立したい時などによく採用されます。現在は製造されていません。当ブログでは中型車に含めています。
※大型短尺車というと、「大型車の中で尺が短い車両(後述)」を指す場合もあります。また現在活躍している大型短尺車は、「キュービックLT」「エルガLT」(いすゞ)、「ブルーリボンRU」(日野)、「エアロスターMM」(三菱)、「スペースランナーRP」(日産)の5車種に限られるため、LT、MM等と車種で呼ぶ場合もあります。

3.中型車

奈良交通(奈良県)
全長8~9m、車幅2.3mの車両で、大型車と並んで路線バスの基幹車種になります。2017年時点で、日野といすゞが製造しています。

4.中型長尺車(中型ロング車)

奈良交通(奈良県)
全長10.5m、車幅2.3mで、大型車の全長と中型車の車幅を組み合わせた車種です。大型車に比べて安価で、かつ中型車より輸送力が稼げるため、主に大型車の補完として広まりました。中ロン、と略されて呼ばれることが多い他、ひょろ長い外観から、車種によっては「もやし」などの愛称が付いています。現在は製造されていません。
当ブログでは特筆がない場合は大型車に含めています。

5.小型車

奈良交通(奈良県)
全長7m、車幅2.0~2.3mの車両。現在は日野のみが製造しています。
当ブログでは特筆がない場合中型車に含めています。

6.マイクロバス

宇陀市有償バス(奈良県)
小型バスのうち、定員が29名以下のバスを指します。こちらは国内の複数のメーカーが製造しています。当ブログでは小型車に含めています。

7.特大車

連節バス/新潟交通(新潟県)
幅広ランプバス/成田空港(千葉県)
全長12mもしくは車幅2.5mを超える車で、日本の道交法では規格外となる車です。公道を走行するには特殊車両として特例許可を受ける必要があります。またその場合でも定められた経路でしか走行はできません。
主な特大車の例としては、近年バスドライバー不足の救世主として注目されている連節バスや、空港内の私有地のみで使用されるランプバスなどがあります。


尺の長さ

尺とはホイールベース(以下WB)間の長さのことで、カタログにある程度のラインナップが用意されています。基本的には尺が長ければ長尺、短ければ短尺、真ん中は標準尺、というだけの簡単な話です。
少し難しい話をすると、それぞれの尺ごとにバスの型式に記載されるアルファベットが決まっています。その文字を取って、「P尺」「F尺」などという言い方をするのですが、面倒なことにバスメーカー間で文字の統一性がなく、〇尺ならWBが〇mと決まっているわけではありません。以下ではよく言われる「〇尺」だけ簡単に紹介しますが、由来はこれです。具体的な車種ごとの記号については、車種編でぼちぼち紹介していきますので、気になる方はそちらをご覧ください。

1.大型車の尺

長尺車
標準尺車
短尺車/全て川崎市交通局(神奈川県)
大型車には、車種によっても異なりますが概ね3種程度の尺があり、長いものを長尺、短いものを短尺と呼びます。またその間を標準尺と呼びます。バスのサイズの項で紹介した「大型短尺車(大型ショート車)」は、こちらの短尺車よりさらに短いバスになります。
特にいすゞの長尺車を「Q尺」、ふそうや日産ディーゼルの長尺車を「P尺」と呼びます。

2.中型車の尺

短尺車
標準尺車/ともに宇和島自動車(愛媛県)
2004年ごろまでの中型車には、車種によっても異なりますが概ね2種類の尺があり、長いほうを標準尺、短いほうを短尺と呼びます。また特にいすゞ・三菱ふそうの中型短尺車のことを「F尺」と呼ぶことがあります。


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