三菱ふそう エアロスターノンステップ

KC-MP747系

1997年に登場した量産ノンステップバス。国産初の本格的なノンステップモデルです。
エンジンとデフを運転席側にオフセットすることにより中央通路のフルフラット化を実現しており、構造上はフルフラットノンステップにすることが可能ですが、ユーザーによっては車内レイアウトを前中間ノンステップとしている場合もあります。
他の大手3社はエンジンを最後部に押し込むことでフルフラットとしましたが、構造上無理があったようで故障が多く、早期廃車の憂き目にあう事例が多くみられます。他方でふそう車は構造上優れていたようで、同年代のノンステップバスではふそう製の存命率が群を抜いています。
尺は短尺(K尺)・標準尺(M尺)の2種類で、型式はKC-MP747KKC-MP747Mとなります


KL-MP37系

2000年5月に、平成11年排出ガス規制に対応してマイナーチェンジを実施したモデル。外観上はKC-規制車との変更点はほとんどなく、外観で区別することは困難です。
尺は短尺(K尺)・標準尺(M尺)の2種類で、型式はKL-MP37JKKL-MP37JMとなります


PJ-MP37系

2004年3月に、平成16年排出ガス規制に対応したマイナーチェンジを実施したモデル。エンジン系統は手を加えられたものの外観上の変更点はなく、KL-規制以前と外観上での見分けはできません。
2005年10月製造分からは、2006年の灯火器具の保安基準改正に対応するためにリアコンビネーションランプの取付位置が変更され、車体側面下部に反射器が取り付けられました。また、同時にフロントバンパーのフォグライトが一回り小さいものへ変更されています。このためPJ-規制後期の製造分は外観で判断できます。
尺は短尺(K尺)・標準尺(M尺)の2種類で、型式はPJ-MP37JKPJ-MP37JMとなります

2007年9月に、後継で日産ディーゼルとの統合車種であるエアロスター-Sへ引き継がれる形で、エアロスターノンステップバスはいったん生産終了となりました。


PKG-MP35系

2009年4月に販売を開始した前中間ノンステップモデル。07年9月の生産終了から約2年ぶりに復活する形となりました。背景には、整備の効率面から三菱純正車体のノンステップモデルを望むユーザーが多かったことや、日産ディーゼル・西工車体工業がふそうユーザーの分の需要増に対応しきれなかったことがあるようです。

ワンステップモデルの改造扱いでの販売で、車体はワンステップボディをベースに床を下げたものです。ふそうのワンステップはツーステップと共通設計のため、車高は実質的にツーステップ車並みで、旅客の視線に合わせて窓の天地幅が拡大されています。
前中間ノンステップであるため中扉より後ろはワンステップ並みの床高さで、公式側は中扉前後で窓の寸法が合わず、段差が生じています。このような奇特な外観から、バス愛好家の間では『ゲテノン(=ゲテ物ノンステップ)』という愛称がつけられています。なお、これと比較して、ノンステップ専用ボディが用意されていたPJ-以前の車両は『ペタノン』と呼ばれています。

外観上の特徴として、デンソー製クーラーを採用した場合屋根上のエアコンが車体前方に載ります。写真はデンソー製を採用しています。
形式は改造扱いのためワンステップモデルと同じです。尺は短尺(K尺)・標準尺(M尺)の2種類で、型式はPKG-MP35UKと、PKG-MP35UMなります。


LKG-MP37系

2010年5月に、平成21年排出ガス規制に対応したマイナーチェンジを実施したモデル。側面窓に段差がある不格好さを嫌ったユーザーの中には、写真のように中扉以降(俗にいうスケベ隠しにあたる部分)を黒く塗って窓に見せかけるユーザーも出てきました。

車体に関してはPKG-規制車から変更はありませんが、今回のマイナーチェンジより新・ISO方式のディスクホイール(俗称:10穴ホイール)を採用しているため、ホイールで識別が可能です。
また、エアコンはデンソー製を採用した場合車体の真ん中に載るように変更されました。そのためエアコン位置でもPKG-規制車と判断が可能です。ただし、三菱重工製を採用した場合は外観に違いはありません。
写真は三菱重工製を採用しています。デンソー製を積んだ場合のイメージは下のQKG-規制車の写真をご覧ください。
本モデルから再びノンステップバス専用の形式が用意されました。尺は短尺(K尺)・標準尺(M尺)の2種類で、型式はLKG-MP37FKと、LKG-MP37FMなります。


QKG-MP37系

2012年4月に、新エコカー減税対応に伴う排出ガス規制記号の変更に対応したマイナーチェンジを実施したモデル。主に安全設備が改良されていますが、外観面で大きな変化はありません。
フォグランプがLKG-規制車まではイエローでしたが、マイナーチェンジ後はクリアなものへ変更されており、そこで見分けが可能です。
尺は短尺(K尺)・標準尺(M尺)の2種類で、型式はQKG-MP37FKと、QKG-MP37FMなります。


QPG-/QKG-MP38系

2014年6月に発表されたマイナーチェンジモデル。フロントデザインが一新され、未来志向な外観へ生まれ変わりました。同時にホイールベースが延長されており、ノンステップエリアが拡大されています。その分リアオーバーバンクが短くなりました。
なお、写真はデンソー製エアコンを採用した車です。
尺は短尺(K尺)・標準尺(M尺)の2種類で、型式はQKG-MP38FKと、QKG-MP38FMなります。


2PG-/2KG-MP38系

2017年10月に、平成28年排出ガス規制に対応したマイナーチェンジを実施したモデル。アイドリングストップの方式の違いで2PG-規制と2KG-規制に分かれますが、外観上の違いはありません。
デンソー製エアコンの形状が変更されているため、デンソー製を採用した場合はQKG-規制車と判別が可能です。写真はデンソー製です。
尺は短尺(K尺)・標準尺(M尺)の2種類で、型式は2*G-MP38FKと、2*G-MP38FMなります。




★特徴的な仕様★
函館バスのエアロスターでは、側面窓の段差解消のためわざわざ黒塗り処理を採用しているにもかかわらず、窓の冊子が銀色のため何の役にも立っていない車があります。
どうしてこうなったのか非常に気になりますが、2017年から継続して同じ塗装の車が投入されているため塗装の発注ミスではないようです。




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