鹿児島市電

600形/612号車/1960
古参の600形。1959年~62年にかけて投入された形式で、2022年夏時点で9両が活躍しています。活躍は平日朝夕のラッシュ時輸送が中心で、昼間にはほとんど見かけません。
2100形/2102号車/1989
2台が在籍する2100形。1989年に鹿児島市制100周年及び交通局発足60周年を記念して製造され、26年ぶりの新車となりました。運転席には大きな1枚窓を採用し、一気に近代的な見た目になりました。
製造は九州旅客鉄道 鹿児島車両所で、同所で初となる社外向け鉄道車両でした。製造元が珍しいだけあって、車両の雰囲気も他所のトラムでは見かけないような独特なものとなっています。
2120形/2122号車/1991
2130形/2132号車/1992
2140形/2143号車/1994
2100形のマイナーチェンジ版として、フロントデザインが変更された2110形シリーズ。
1991年3月に投入された2110形、同12月に投入された2120形、1992年12月に投入された2130形、1994年12月に投入された2140形の4形式がありますが、基本的な仕様は同一です。製造は継続して九州旅客鉄道 鹿児島車両所が担っています。
4形式で計9両あり、主力の一端を担っています。
9500形/9515号車/2000
15両が在籍している9500形。大阪市営電気鉄道から移籍した800形車両に対して、1995年から2000年にかけて、ナニワ工機・アルナ工機にて車体更新を行ったものです。在籍数の多さから事実上の主力車種となっています。
車体は2110形シリーズをベースとしつつ、角ばったデザインや丸ライトなどややレトロなイメージに仕上がっています。
9700形/9701号車/1998
1998年にアルナ工機で2両が新製されたグループです。当時車体更新が進められていた9500形(元800形)と同等のデザインとされており、2110形シリーズの後に新製されたとは思えないレトロなルックスです。9500形とは、外観上でもパンタグラフの違いで判別が可能です。2022年10月時点では2両ともにラッピング車両となっています。
1000形/1019号車/2005
鹿児島市交通局初の超低床電車として導入された1000形。2001年から2005年にかけて9両が投入ざれました。『ユートラム』の愛称がつけられていますが、鹿児島市交通局の公式サイトでは言及がないなどあまり浸透はしていない様子です。
製造はアルナ工機(→2004年からアルナ車両)で、同社の超低床電車ブランド・リトルダンサーシリーズの第1号として誕生。初めての国産超低床電車です。
3つのユニットの内、中央の客室モジュールには車輪がなく、前後の運転室モジュールで挟み込みことで宙に浮かせたフローティング構造を採用しています。
過去の車両では客室床下にあった制御装置及び空調機器をコンパクトにして、屋根上部や運転席に移したことで、客室の床高は地上33cmを実現。降車口には補助スロープを装備し、ベビーカー・車イスの条項に対応しています。
当形式からカラーリングを一新し、南国鹿児島の明るい太陽を表したイエローと、超低床式車両の人に優しい機能を表すベージュをイメージカラーとしています。イエローベースのカラーは、この後の後輩車両にも受け継がれています。
7000形/7001号車/2007
平成17年10月に策定されたLRT(次世代型路面電車システム)整備計画に基づき4両が導入された7000形。連接式の超低床電車で、『ユートラムⅡ』の愛称がつけられています。
2007年・2008年に2両ずつがアルナ車両で製造され、リトルダンサーシリーズの継続採用になりました。本形式は連接式とすることで、1000形と比較して乗車定員を大幅に増員しています。運転室モジュールは流線型のフロントデザインと大きな曲面ガラスを採用し、車体長の長さもあって流れるような優美なシルエットを実現しています。
カラーリングは1000形のイメージを受け継ぎ、アイボリーをベースにイエローとブラックのラインが入る明るいカラーです。しかし、2022年10月時点では4両全車がフルラッピングで、かつうち3両が姉妹都市号とほぼ永続的なラッピングとなっているため、オリジナルカラーを拝む機会は今後貴重になりそうです。写真の7001号車は鹿児島市×ナポリ市のラッピングとなっています。
100形/101号車/2012年
鹿児島市の路面電車運行100周年を記念し、2012年に1両が製造されたレトロ電車。大正時代から昭和30年頃まで実際に運行していた木製電車(20形)をモチーフとして製作されました。
外観のみならず内装にもこだわっており、座席の肘掛け部分には天然木材を使用し、天井・壁・床も木目柄仕上げとされています。さらに車内照明を色温度が低めの電球色を採用しており、全体的にレトロな雰囲気を再現しています。
長らく観光電車『かごでん』専用車として活躍してきましたが、2021年12月末を以てかごでん』が廃止されたため、現在は基本的に団体貸切やイベント用となっています。撮影時は土曜日でしたが、団体表示でやってきました。
7500形/7501号車/2017
先述のLRT(次世代型路面電車システム)整備計画に基づき導入された7500形。『ユートラムⅢ』の愛称がつけられています。
製造は引き続きアルナ車両で、2017年・2019年に2両ずつ製造され、2022年夏時点では計4両が活躍しています。2連接車体を採用することで客室部分を拡大し、1000形(初代ユートラム)とほぼ同じ長さながら定員を10名(うち着席定員を8名)増やしています。
鹿児島市電では2007年1月から2008年3月にかけて併用軌道の軌道敷緑化工事を実施しており、この7500形はかごでんを除き、緑化完成後初の新車となりました。そこで従来車からの伝統であるイエローをベースとしつつ、芝をイメージしたグリーンを中央に配し、ややサイケデリックなカラーリングとなりました。
2022年10月時点では4両中3両がフルラッピングとなっており、オリジナルカラーは写真の7501号車のみで見ることができます。

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