鹿児島交通

鹿児島交通は鹿児島県鹿児島市を拠点とする乗合事業者。鴨池~垂水間のフェリーも運行しているほか、かつては薩摩半島で鉄道路線も運行していました。
親会社は鹿児島の有力企業である岩崎産業で、その子会社の持ち株会社・いわさきコーポレーションの傘下に種子島・屋久島交通等のグループ内の交通セクター企業と共に収まっています。岩崎産業はエネルギーや木材等の総合商社を主力とし、観光業にも手広く進出しているやり手の企業ですが、コロナの影響もあって近年は巨額の赤字が続いており、それが鹿児島交通の経営方針にも影響を与えています。

鹿児島交通の歴史は1913年に設立された南薩鉄道、並びに1943年に設立された三州自動車を発端としています。1964年に三州自動車が南薩鉄道を合併し同時に鹿児島交通へ会社名を変更しています。その後、1998年には経営破綻した林田産業交通を林田バス(→後にいわさきバスネットワーク)に社名変更したうえで岩崎産業グループ傘下に収めたり、2000年にはJR九州バスの山川線と国分線も引き継ぐなど、拡大路線を敷いてきました。

2001年には岩崎産業傘下の他のバス事業者・水運事業者と合併し、いわさきコーポレーションを設立。その3年後の2004年には鹿児島市街並びに薩摩半島の路線網を新生鹿児島交通として再び分社化します。同時に都城周辺を三州自動車に、大隅半島の路線を大隅交通ネットワークなど複数の地域子会社を設立しています。

その後は再び子会社同士の集約化が進み、2016年にいわさきバスネットワークから、2018年に三角自動車からバス事業を譲り受け、離島を除き鹿児島県内のグループ傘下のバス路線がすべて鹿児島交通管轄に集約されました。2019年に鴨池・垂水フェリーを吸収合併し、以降はフェリー事業も掌握しています。

集約の経緯から、現在は鹿児島県下のバス路線を一手に引き受けており、北部の出水地域を除く県内全域に路線網を広げています。県外では宮崎県都城市に営業所を持ち、宮崎県名部にも路線を持ちます。鹿児島市中心部から枕崎・加世田・川内など県内各所へ向かう都市間路線が数多く残っており、片道3時間程度の長距離系統も珍しくありません。

このような拠点間の長距離系統が多数生き残っている一方で、近年では大規模な路線縮小が続いています。2006年にはいわさきグループ全体では189路線から撤退する大幅な路線再編を実施。その後2009年に大隅半島の一部路線からの撤退や、2020年に1日400便規模の大幅減便、また2022年10月にも薩摩半島を中心に路線の再編が実施され、地方ローカル系統を中心に徐々に撤退が進んでいます。

車両は2000年以降、一般路線用途の新車が入っておらず、都市間バス・リムジンバスも現代ユニバースをメインに投入しているなど経費削減の姿勢が顕著です。中古でも20年落ちの経年車やフルフラットノンステップバスなど、他社が避ける傾向にある車種を狙って仕入れることで知られています。


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